オレゴン
Oregon
Turret Ship:U.S.A. 1893 (Battleship BB-3)


 このページは、以前に三脚檣掲示板で連載した「オレゴン」に連動して、写真や図面を掲載したものですが、掲示板運営会社が当該掲示板を閉鎖してしまったために、本文を読むことができなくなっています。
 対象とした事物は、1893年に進水したアメリカ戦艦『オレゴン』の生涯に関するものですが、全体を冊子として編集し、有償での配布を行いましたので、当分の間ここに本文が掲載されることはありません。




coloured view

完成時側面図・塗分け範囲、色彩などは不確実



種別:砲塔艦、所属:アメリカ合衆国海軍、公式分類:戦艦(BB−3)
建造所:ユニオン鉄工所・カリフォルニア州サン・フランシスコ
起工:1891年11月19日/進水:1893年10月26日/完成:1896年7月15日/1956年売却・解体

常備排水量:10,288トン、満載排水量:11,688トン
全長:107.03メートル = 351フィート2インチ(他の同型艦は106.95メートル = 350フィート11インチ)
幅:21.10メートル = 69フィート3インチ
吃水:7.32メートル = 24フィート

ボイラー:円缶6基、主機:垂直三連成機関2基、2軸
出力:9,000馬力、速力:15ノット
石炭:400〜1,640トン
乗員:473名

装甲:ハーヴェイ鋼・ニッケル鋼
水線装甲帯:18〜8.5インチ (457〜216ミリ)、上部装甲帯:4インチ (102ミリ)、
主砲塔:15インチ (381ミリ)、主砲塔天蓋:3インチ (76ミリ)、
バーベット:17インチ (432ミリ)、副砲塔:8〜5インチ (203〜127ミリ)、
甲板:3〜2.75インチ (76〜70ミリ)、司令塔:9インチ (229ミリ)

完成時兵装:
13インチ (330ミリ) 35口径砲4門(連装2基)、8インチ (203ミリ) 35口径砲8門(連装4基)、
6インチ (152ミリ) 40口径砲4門、6ポンド (57ミリ) 砲20門、1ポンド機関砲6門、
18インチ (457ミリ) 魚雷発射管6門
改装後:
13インチ砲、8インチ砲、3インチ (76ミリ) 50口径砲12門、6ポンド砲4門

要目は主として All The World's Fightingships 1860-1905 / Conway より




armour and plan

装甲配置図と平面図・数字は装甲鈑の厚さ(単位・インチ:1インチ=25.4ミリ)



概説:
 1890年度計画で建造。ニュー・ネイビーの戦艦第一着として建造されたが、排水量の制限が厳しすぎたため、あまり成功した艦とはならなかった。乾舷は3メートルしかないけれども、水線装甲帯は長さ42.7メートル、水線上の高さ90センチに限られていたから、低乾舷の割に船体の無装甲部分は大きい。これは激しい戦闘を行った時に、予備浮力を喪失しやすいという欠点を持つことを意味する。装甲帯は水線下にも137センチの高さがあり、水線下30センチまでは18インチの厚みを持っていたものの、下端では8.5インチとなっていた。上部装甲帯は4インチしかない。

 主砲塔は旋回軸回りにアンバランスであり、『オレゴン』は水圧、他は蒸気駆動だった。主砲砲軸の水線上高さは5.4メートルだったが、8インチ副砲のそれは7.6メートルに達しているから、荒天中でも射撃に障害が少ない。ただし、副砲塔の下部には水線装甲帯との間に装甲のない部分がある。6インチ砲は上甲板中央部の上構内に配置された。
 6ポンド砲は小艦艇に対する防御用で、上構側面や艦首尾中甲板に装備されている。魚雷発射管はすべて水上装備で、両舷に2門ずつ、艦首尾に1門ずつが配置されている。

 1905〜08年の近代化改装で砲塔はバランスされ、6インチ砲と大半の6ポンド砲、魚雷発射管を撤去して、3インチ50口径砲12門が増備された。缶もバブコック&ウィルコックス水管缶8基に換装されている。当初は艦橋上に戦闘檣が1本あるだけだったが、後部に籠マストが追加された。




oregon photo

20世紀に入ってからの改装で籠マストを追加した姿・写真提供:木宏之氏



経歴:
 太平洋艦隊に配属。米西戦争時には、太平洋岸から南米ホーン岬を回って14,500浬の航海を果たし、キューバ沖の封鎖艦隊に合流した。サンチャゴ沖海戦にも参加している。フィリピンに派遣された後、坐礁して呉のドックで修理を受けたこともある。
 大戦では太平洋岸で護衛任務についた。1925年から42年まで、記念艦としてポートランドに係留されていたが、第二次大戦の勃発によって海軍に徴用されハルク『IX−22』となった。その後、グアムで倉庫船となり、台風で沖合に流されるなど数奇な運命を辿っている。1956年に売却され、日本で解体された。
★州名…艦名由来

同型艦:
『インディアナ』 Indiana
 建造所:クランプ造船所
 起工:1891年5月7日/進水:1893年2月28日/完成:1895年11月20日/1920年処分

 大西洋艦隊に配属。米西戦争に参加。大戦時には練習艦となっていた。爆弾や水中爆破の実験艦となり、1920年11月1日沈没した。残骸は後に売却されている。
★州名…(BB1)

『マサチューセッツ』 Massachusetts
 建造所:クランプ造船所
 起工:1891年6月25日/進水:1893年6月10日/完成:1896年6月10日/1921年処分

 やはり大西洋艦隊に配属。米西戦争に参加。1910年からは練習艦となっていた。1920年、陸軍に移籍され沿岸砲の標的とされた。
★州名…(BB2)




●参考文献
・All The World's Fightingships 1860-1905/Conway Maritime Press
・American Steel Navy (The) /John D. Alden
・Battleships in Action 1-2 /H. W. Wilson (1926) /Conway (1995)
・Jane's Fighting Ships 1898/Fred T. Jane/reprints
・Warship 1990/William C. Emerson/Conway Maritime Press




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