龍の尾をひとひねり 1
May we give the dragon's tail a damned good twist !


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 このページは、現在「三脚檣掲示板・ファイティングトップ」で連載中の「龍の尾をひとひねり」に対応した、図面と写真のページです。本文をお読みになるにあたって、随時参照なさってください。




Plan of the mole

ゼーブリュッヘ港の大防波堤・モールの1918年当時の図面

 1896年から1905年頃にかけて建設された防波堤で、全長2キロメートル、幅75メートルという巨大なものである。
 構造ははっきりしないのだが、大きなコンクリートの箱を並べて沈め、内部に土を充填したらしい。

 元図は「英国海軍戦史」に所載のものだが、同図にある襲撃艦船の位置は消してある。
 これらについては、本文の進行に伴って順次掲載していく。

 グーグル・アースでご覧になるなら、北緯51度20分52秒、東経3度12分10秒に、旧モール先端の灯台がある。現在では港が外側に大きく拡張されて、モールは内壁こそ昔のままに近いが、外側は完全に埋め立てられてしまっている。港内も埋め立てが進み、運河は残っているものの、大きく様変わりしてしまった。

 現在まで、当時のモールの詳細を撮影した写真は発見していない。もし、詳細のわかる写真を見つけられたら、ぜひご教示いただきたい。



raid the mole

 モールを強襲したイギリス艦隊の位置

 接岸予定位置は高射砲陣地と砲台の間であり、これがずれたために苦戦を強いられることになった。



Rear-Admiral Roger Keyes

英国海軍ロジャー・キーズ提督




HMS Arrogant

英防護巡洋艦『アロガント』 Arrogant

 『ヴィンディクティヴ』の同型艦である。次掲の写真とほぼ同アングルなので、見比べていただきたい。



HMS Vindintive 01

強襲艦に改装後の『ヴィンディクティヴ』 Vindictive

 改装後、突入前に撮られた写真は多くない。艦橋はマットに覆われ、直後のファイティング・トップも同様である。艦橋前と後部の左舷側にそれぞれ、強襲部隊の指揮所があり、ここに火炎放射器が配置されていたようだ。舷側に数多く並んだ上陸用の渡り板 (brows=眉の意) が目に付く。艦尾甲板上に取り外した主マストの一部が横に寝かされて取り付けられ、緩衝材になっているのがわかる。

 なお、この2枚の写真は、いずれも海人社の「世界の艦船第517集・イギリス巡洋艦史」から借用している。



Vindictive's brows

『ヴィンディクティヴ』の左舷に取り付けられた渡り板

 モールに横付けした後、これを防波堤の天端に渡しかけ、そこから防波堤上に侵入する。
見ての通り非常に脆弱なもので、手すりもロープが張ってあるだけでしかない。



HMS Daffodil

 強襲艦『ダッフォディル』 HMS Daffodil

 防弾板を張って作戦に参加したときの写真。作戦前後のどのタイミングで撮られたものかはわからない。  同型の『アイリス』 HMS Iris ともども、元はアイリッシュ海に面したリバプールのマージー河口で渡船として使われていた船。戦後に元の航路へ復帰している。



C-class submarine

 C級潜水艦『C22』

 爆弾潜水艦になった2隻は初期型だが、大きな違いはない。セイルの上半分は鉄枠にキャンバスが張ってあるだけでしかない。潜るときにキャンバスは外すのだろうか。作戦中は張らないのかもしれない。
 水上排水量287トン、水中316トン、長さ43.3m、幅4.1m、600馬力のガソリンエンジン1基で1軸、水上速力13ノット、モーターは300馬力で水中速力は7.5ノット、45cm魚雷発射管2門、魚雷4本、乗員16名



40ft-CMB

 40フィート型CMB = coastal motor boat

 ごく初期の魚雷艇と呼べる高速艇。乗員は2〜3名で、後部の便乗者には乗る場所がなく、操縦席背後に伏せてしがみついている。この状態で40ノットは厳しすぎるだろう。後部にレセスがあって魚雷が搭載されており、後方へ滑り落とすように発射される。
 排水量5トン、長さ13.7m、幅2.6m、250〜275馬力のガソリンエンジン1基で、35ノット以上を発揮した。45cm魚雷1本、乗員2ないし3名。不釣合いに大きな軍艦旗が印象的だ。



running CMBs

 滑走するCMB

 左が55フィート型の『CMB98ED』、右が40フィート型の『CMB112』
 55フィート型は、排水量11トン、長さ18.3m、幅3.4m、500〜900馬力のガソリンエンジンを積んで、最大42ノットを発揮するが、500馬力のものは35ノット程度だった。魚雷は40フィート型と同様の装備方式だが、一部に2本積むようになっていたものがある。乗員3ないし5名。



Motor Launch

 モーターランチ『ML223』

 この作戦には数十隻が参加している。主たる任務は煙幕の展張と人員収容だった。
 排水量37トン、長さ22.9m、幅3.7m、ガソリンエンジン2基2軸、440馬力、最大速力19ノット、小砲もしくは機関砲1門、乗員8名。初期型50隻は34トンといくらか小さかった。500隻以上造られたようだが、正確な数はわからない。最終ナンバーは『ML580』である。



Barbed wire defences on the mole

 ゼーブリュッヘ・モール上の鉄条網によるバリヤ

 外側の防波壁上から内側を撮影している。撮影時期は不明。もやわれている小艇がイギリスのMLのように見える。
 撮影された場所も不明だが、おそらくは高射砲陣地の一角だろう。



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